e-検査ナビPLUSを用いた伝達の様子
e-検査ナビを導入する前、聴覚障害者の方々や外国人の方々の検査は、どのようにされていましたか?
細かい指示がなかなか伝わらないので、プロテクターを装着して撮影室に入り、近接操作卓で補助をしながら撮影していました。また、どうしても意思の疎通が難しくて、息を止めるタイミングが合わず、ブレの多い画像になることもありました。検査している側も撮影室内に一緒にいるので、被ばくしてしまうことも気がかりでした。
『e-検査ナビ』の導入を決めた最後の決め手は何でしたか?
以前から聴覚障害の方の撮影では、似たようなシステムを使用していました。そのシステムを更新するタイミングで、新規購入を決めました。以前のシステムでは、モニターを正面、天井、左右の4方向に設置して行うのですが、うつ伏せになるとモニターが見えないために指示が出来ず、結局、撮影室内に入って補助する方法を取っていました。今回のシステムでは、ゴーグルを装着してその中に指示画面がみえるので、うつ伏せでも仰向けでも指示が伝わることが決め手でした。また、英語以外の中国語、韓国語など、多言語での指示が可能で、ボタンを押すだけで指示内容が音声で簡単に伝わる点も魅力でした。
「導入して良かった!」e-検査ナビが無かったら困っていた事や一番気に入っている点は何ですか?
胃部X線検査は受診される方の協力があって成り立つ検査です。意思疎通がうまくいかないと、検査の質が落ちてしまいます。e-検査ナビを使うことで、タイムラグがなく、素早い指示が可能になり、検査の質が向上したうえに、以前に比べて検査時間が短縮されました。こまかな指示内容が入っているので、話しているのと同じ感覚で検査することが可能になりました。
また、検査者用のe-検査ナビPLUSを使用することで、検査前に内容を理解したうえで検査をすることで、安心して検査を受けてもらえることが気に入っています。検査後の下剤の説明なども使いやすいと思います。
もし他の施設に『e-検査ナビ』を勧めるとしたら何と言って勧めて下さいますか?
聴覚障害を持っている方、日本語が分からない方にやさしく、安心・安全な検査システムです。胃部X線検査に特化した内容で構成されているので、かゆいところに手が届くような表示内容で、検査だけでなく、検査前、検査後の注意など、とても使いやすくなっています。
貴施設の受診者の方々や貴施設での胃部X線検査の受診を検討している方々へお伝えしたいことは何ですか
私たちは、すべての人にやさしい検査を心がけています。やさしいとは、すぐ終わる、簡単に終わる検査ではありません。受ける方に理解・協力してもらい、基準となる撮影法を守りながら、その方の身体能力を加味し、正確な診断ができる検査です。そのためには、伝えることがとても大切で、分かりやすい言葉を使うことを心がけています。また、高い検査精度を維持するため、撮影装置は定期的な保守管理を行い、撮影技師は胃がん検診撮影技師の認定を取得して学会、勉強会で技術・読影の研鑽に努めています。安心して受診して下さい。
(公財)東京都予防医学協会
放射線部 部長 富樫 聖子氏
e-検査ナビが設置されている検診車
e-検査ナビPLUSを用いた伝達の様子
検診車内の様子